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2016/08/03

【屋根を考える Ⅱ】

今夏は、ラニーニャだから、猛暑(酷暑)になるのではと予想されています。 猛暑日(35℃以上の日)は、今年は何日あるのでしょうか。今から気になるところです。 住宅というのは、雨風が凌げると言うのが、第一ですね。人を外界から、守ってくれるというのが、家の第一機能です。 暑さ、寒さもありますが、雨に濡れて安眠は出来ませんし、日晒しでは、休めません。

マズローの提唱する、自己実現理論では、
 1. 生理的欲求 (Physiological needs)
 2. 安全の欲求 (Safety needs)
 3. 社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
 4. 承認(尊重)の欲求 (Esteem)
 5. 自己実現の欲求 (Self-actualization)
 の5段階あるといわれています。

生きるための食事や排泄が、第一の欲求ですが、その次に欲しるのが安全の欲求になります。 つまり、シェルター(退避)という、安全性の囲いを欲するということになります。

さて、住宅で屋根はどういうものが、使われていたか考えて見ましょう。 日本の建築の場合、古くから神社仏閣に使われたいたものには、檜皮(檜の皮)、?こけら(子実の木片、檜、さわら、杉など)、茅などです。 前に述べましたが、これらの木質系の屋根材は、断熱性が良いのが特徴。 ただし、防水性を得るために、結構、何層にも葺くことが必要で、屋根のボリュームが大きくなります。 もっとも、素材は軽いものですので、厚葺に問題点は有りません。最大の問題点は火に弱いというものでしょう。 類焼を考えれば、防火性は低いのが、最大のデメリットです。

中世以後、陶磁器などの窯業技術の進展で、瓦というものが多用されることになりました。 奈良時代から、瓦というものは、法隆寺でも、東大寺でも使われていましたが、中世以後脚光を浴びるのは、城郭に使われだしたところにあります。 つまり、防火に関しては、不燃材料の瓦ほど優れたものはありませんでした。 城郭では、瓦の継目を、白いもので覆っています。この白いものは漆喰ですね。 漆喰は、消石灰が原料ですが、空気中の二酸化炭素と反応して、炭酸カルシウムに変わります。 炭酸カルシウムは、石灰岩と同じで、これ自身不燃材です。 姫路城など、壁も軒裏も全面に漆喰塗りとして、屋根と共に戦時の防火仕様にしています。

さて、現代住宅ではどうでしょうか? コストと居住空間を考えれば、お城のように、屋根が重くとも、大径の柱や梁を使うわけにはいけません。 一般的に、今の住宅は、軽い屋根材を利用することが多いのです。 地震を考えれば、頭が軽いほうが、家に加わる力も下がります。 皆さんも習ったf(力)=m(質量)×α(加速度)という運動方程式で表せます。 地震は加速度(gal)という単位で表されます。同じ加速度で有れば、質量が軽いほうが、力は小さくなります。 物理法則の通りの現象になりますので、屋根は軽いほうが、地震には好都合。 後は、防火性能と屋根裏の断熱で、屋内への熱の流入をどう抑えるかということになります。 屋根の構造は、建築屋の設計に対する考え方で、大きく変わります。有る意味ここが設計の肝です。