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2016/08/03

【屋根を考える Ⅰ】

7月になりました。

梅雨明けすると、夏本番になります。梅雨明け10日と言いますが、もっとも暑い時期。
最近、温暖化が進んでいるようで、毎年、猛暑日が多くなっているような気がします。
太平洋高気圧が大きく張り出してくる、日本の夏は、蒸し暑くて、完璧に亜熱帯の気候です。
都会は、ヒートアイランドという、舗装やビルが蓄熱して、余計に暑くなっているのが実情。

 

よく、日本の家は、夏の設えと言われるようです。実際はどうなのでしょうか?
屋根の機能で一番大事なのは、雨露を凌げる事。冬なら雪も防ぐということ。
夏は、それに加えて、直射日光をさえぎり、屋根からの日射を入れないということになります。
直接日射があれば、暑くて暮らせません。日陰にならないといけませんね。
屋根としては、1に防水機能、2が遮光・遮熱です。

さて、昔の日本家屋を思い出してください。
茅葺の家を見られた方はおられると思いますが、茅葺の原材料は茅(ススキの別称)や葦、藁で葺いた屋根のことです。
白川郷の合掌屋根は、茅葺ですね。
茅の類は、ストローのような形をしており、これを束ねて葺いて行きます。
中空材ですので、空気層を持っている軽い材料を、水が漏らないように重ねて厚く葺きます。
厚く葺きますので、その厚さで、赤外線はさえぎってくれます。よって輻射熱は入りにくくなります。
又、屋根の表面は、太陽光で熱くなりますが、中空材料という特性を生かして、断熱性が高い屋根になります。
その意味で、茅葺は日本の気候にあった屋根と言えますね。
私の田舎の家も、40年ほど前まで、茅葺でした。夏休みなど、田舎に帰省して、エアコンなしで過ごしていました。まだ井戸で、スイカを冷やしていた時代でしたけど。

さて茅葺屋根の長所・短所を考えて見ます。

長  所短  所
断熱性が高く、夏涼しく、冬暖かい燃えやすく、防火性が乏しい。
吸湿性、適度な透湿性があり、快適防水上、屋根が厚く、大きくなる。
吸音性があり、静かな空間職人が少なくなってきており、メンテが容易でない。
自然素材なので、廃棄が安全。最後は土に返る。材料が、揃い難い。

という具合です。 よく見ると、短所を改善すれば、理想的な屋根になるといえますね。

現代住宅で考えて見ますと、どのような事がいえるでしょうか。
化粧スレートの屋根が多用されていると思いますが、防水性は茅より良いですね。
遮光性も問題ないでしょう。太陽光は入ってきません。 防火性に関しても、窯業系材料ですので、問題はありません。
ただし、断熱性は材料自体の厚さもそうありませんので、期待できません。
屋根の総厚も、茅葺ほどありませんので、赤外線の輻射熱が屋根裏に入ります。
基本的に、屋根裏の温度上昇に関しては、棟と軒の換気口で、屋根裏換気して、温度上昇を抑えます。 又、天井裏にグラスウール等の断熱材を敷いて、屋根裏と屋内の断熱層とします。 グラスウールは、吸音材としても機能します。
これが全てとは言いませんが、屋根の構造を考えることは、家作りの際の、大切な検討事項です。
遮熱機能の化粧スレートも有りますし、要は組み合わせ次第で、良い屋根は作れます。