暮らしラボ(KURASHI LABO.)

暮らしラボ(KURASHI LABO)女性が作る、女性の為のお家・・・理想の暮らし方を考えてみた。

HOME > コラム詳細
2016/07/06

【坪庭の効用】
日本の家屋にある、坪庭。
狭くても坪庭を作る意味はあるのでしょうか。
京都の町屋などでは、ごく普通にみられる空間ですが、何の効果があるのでしょうか。
昔からあるので、単に建物の形式として作ってきたわけでもありません。
御存知のように、京都の町屋は細長い家が多いです。
俗にいう うなぎの寝床 と呼ばれる、細長い家です。
間口が狭く、奥行きの長い家が多くなったのには、理由があります。
太閤秀吉が、町衆に掛けた税金に有ります。
間口3間(≒5.4m)が一軒役とし、間口に比して徴税したところにあります。

京都 西洞院 茶房「元庵」坪庭
URL: http://www.marukyu-koyamaen.co.jp/motoan.html

つまり間口が狭いほど節税になると言う事。
その為、大店以外は、間口が狭いが、奥行きを長くして、面積を稼いだと言うところにあります。
そのお陰で、町屋独特の設えが生まれました。
玄関庭から、奥の住まいまで行くための「通り土間(庭)」、半屋外の自然を楽しむ「坪庭」等々、小さくても庭が作られていました。

「坪庭」は、建物に囲まれており、煙突の様な効果が有ります。
夏場の京都は蒸し暑いので有名で、盆地ならではの無風状態になる事も。
坪庭に日が差し、温度が上がると上昇気流が生まれます。
微かな上昇気流でも生まれれば、坪庭に屋内の空気が移動して、微風が生まれます。
この空気の流れを作る事で、柔らかな風を感じ、涼しくしようとしたのが、町屋の設えです。
汗ばむ肌に、微風がそよげば、汗の乾きと共に涼しさが生まれます。

京都の町屋では、6月に模様替えを行います。衣替えです。
襖は、風通しの良い御簾障子に。床はじゅうたんから網代敷でひんやりとさせます。
軒先には、すだれを掛けて、日光を遮る事も忘れません。
その上で、気流の流れで、涼しく感じる。京町屋は、いわゆるパッシブソーラー・ハウスなんです。
日本の家は、夏の設えとよく言われますが、昔から、科学的にも説明できる造りとなっていました。
深い軒の出、町屋格子、虫籠窓、箱階段など、その他の知恵もいっぱいありますが、その話は別の機会に。

さて、今の時代は健康住宅の時代です。
夏場だけでなく、冬場の設えも大切になります。
いわゆる、ヒートショックの回避なども重要課題ですし、耐震の安心感、空気の清浄さも大切です。
当然、省エネの為には、パッシブソーラーという考え方は大切ですが、健康住宅であるからには、しっかりした断熱・気密設計が、ベースとなる事は、火を見るより明らかです。
その上に、免疫力の上がる生活スタイルが提供できることが、本当の健康住宅に望まれる事です。
坪庭近くで風を感じて、冷のおうすを飲む、心の健康にも役立つ家創りとしたいですね。