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2016/04/12

【祭礼と木】

日本人は、木を使う事の知恵を育んできた民族です。
住宅、家具、食器から、神社仏閣、産湯の盥、はては棺桶まで、様々な場所で使いこなしてきました。
元々、山岳信仰から、そこに育つ物も神格化されて使われています。

平成28年は、6年に一度の御柱祭りが開かれます。
大木を逆落としにして、その大木の上には氏子が乗って、一気に滑り降りる勇壮なお祭りです。
ニュースなどで見られた方は多いと思います。
今では、インターネットでも中継が有る様ですが、奇祭も広く知られてしまっては、奇祭では無いかもしれません。

出典:御柱祭HP

私も、地元の人間でもなく、間近に見た事もないので、本当の臨場感は味わっていません。
やはり、お祭りは地元の物で、見るより参加する事でしょうね。
さて、この御柱の主役の木ですが、樅の木だそうです。
樅の木はマツ科の木ですが、クリスマスツリーに使うような真直性のある大木になります。
真直な物の荘厳さ、日本人の清廉さを貴ぶところから、大木には敬意を払うのも無理からぬことです。
この御柱になる木は、樹齢200年以上を使うようですが、長さ19M、直径1M、重さは10tonになる物まであると言います。

この御神木を、斜度35°の坂を100M逆落としすると言うのが、祭りのクライマックスです。
里を引き回した後、神社の社に着き、四隅に柱を建てる事になります。
山の神が宿る、御神木柱で結界を張ると言う事でしょうかね。

古民家などは、玄関を入り土間の向こうに、ひときわ太い柱が有ります。これを大黒柱と呼びます。
神社、仏閣では芯柱と言い、檜の太い物を使いますが、古民家では、ケヤキ、クリ、カシなどの目の詰まった広葉樹が良く使われています。
古民家では、比較的近くの山で採れる木などを、上手に使っていたので、色々な樹種がありました。
ケヤキやクリ、カシは非常に硬く締まった木になります。住宅の中央部の一番荷重のかかる部分に、この様な木を使うと言うのは、構造計算しないまでも、理に適っています。
大黒柱は、住宅でも大きな支えとなっているということです。

尚、伝統建築である、神社や仏閣には檜を柱に使う事が多いですね。
それは、檜の持つ、長期にわたる強度保持力、加工性の良さから、より長く使う建物には、檜が使われた様です。
又、檜には、独特の白木の肌理と色、そして芳しい香りから、古くから使われて来ました。
伊勢神宮などは、神域に檜の山があり、そこの檜を使っていたようですが、今では良材が少なくなり木曽檜も使っていると聞きます。
現代住宅は、防火の為に、柱をむき出しにするような家は少なくなり、構造計算の進化で大黒柱の必要性も少なくなりました。
でも、神棚を祭れる大黒柱は、精神的には作りたいですね。