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2017/12/11

【 都市伝説「牛乳は悪者」は本当か? ソイラテの方が断然クール!? 】

農林水産省傘下の調査機関の調べでも、牛乳の消費量は年々減少し、「ほとんど牛乳を飲まない」と答えた人が今や5人に一人の割合。
街中のコーヒーショップでも、ソイ(豆乳)やアーモンドミルク、ライスミルクなど“第三のミルク”がメキメキと台頭し、牛乳は時代遅れどころか忌み嫌われるほどの扱いに!

確かに「牛乳」とネット検索しようものなら、「お腹がゆるくなる」「アレルギーを引き起こす!」「ダイエットには不向き!!」など、次から次へと“牛乳悪者説”が現れます。
一方で豆乳は「イソフラボンが豊富で女性にオススメ!」や「低カロリーでヘルシー!!」など賞賛の的。

果たして牛乳は本当に“悪者”で、第3のミルクたちは“優者”なのでしょうか?

そもそも牛乳がこんなに悪者扱いされだしたのは、当時人気著者であった某医師が、自身の本で「牛乳有害説」を展開したことに始まったと言われています。
それまで私たちの認識は「背を伸ばすには牛乳を!」のように、「牛乳有力説」が通念でしたから、この逆説的な話は当時非常にセンセーショナルで、一気に広まっていったのでしょう。

ですが、これには明らかな事実誤認がいくつかあり、いきすぎた嫌悪感に陥っていますから少し見直す必要があります。

問題点①「牛乳はアレルギーの原因になる?」

これは、牛乳がアレルゲン(アレルギー発症物質)になる体質の人に限ってのことで、全ての人がなるわけではありません。しかもアレルギーのリスクで言えば、豆乳の原料である大豆にも、アーモンドミルクの原料であるナッツにもアレルゲン指定がありますから、牛乳だけが悪者扱いされるのはいささかナンセンスなお話です。

ちなみに時々牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという人がいますが、これはアレルギーとは別物で「乳糖不耐症」という症状です。
「乳糖不耐症」は牛乳に含まれる糖質(乳糖)を分解する酵素が生まれつき少ないことが原因で、本来小腸で分解されるはずの乳糖がそのまま通過して大腸に達すると、ガスを発生させたり下痢を引き起こしたりと体に負担をかけます。このことから「乳糖不耐症」の人は、牛乳に限らず乳糖を含む一切の食品を控えることが奨励されています。
もちろん、牛乳にアレルギーがある人が牛乳を控える判断は正しいです。

問題②「牛乳は高カロリーで、アンチヘルシーな食品か?」

ヘルシーで人気急上昇の「豆乳」は牛乳のカロリーの約7割ですが、調整豆乳は牛乳とほぼ同じ。それにひきかえカルシウム量は牛乳が100g中100mg含むのに対し、豆乳はたったの15mg。調整豆乳でも30mg程度と明らかに牛乳が優れます。

豆乳が人気を得ている理由でもある女性に効果的な“イソフラボン”を摂りたいのなら、納豆や大豆そのもの、あるいは豆腐を食べた方が効率的ですし、このイソフラボンはもともと自分で作り出せるホルモンの補完的な存在です。
それにひきかえカルシウムは、人間が自分で作り出すことのできない必須ミネラルで、食品などから摂取する必要があり、しかも普段の食事ではなかなか必要量が満たせません。
カルシウムは干しエビやひじき、大豆食品にも含まれますが、牛乳にはカルシウムの吸収を助ける“カゼイン”や“乳糖”という成分も含まれるため、他の食品に比べて圧倒的な吸収率を誇ります。

問題③「牛乳を飲むと逆に骨が弱くなる?」

「カルシウムの濃度が増えると、体内がカルシウム飽和状態になり、余分な分が骨から溶け出し骨がスカスカになる」という説が元にあるようですが、これは生化学的に完全なる誤りで、カルシウムが流出するのはカルシウムが過剰になるためではなく、骨の形成に合わせて必要なマグネシウムの不足か、ジャンクフードや炭酸飲料などに多く含まれるリンの過剰摂取によって、カルシウムが溶け出し流出してしまうためで、カルシウムを摂ること自体が原因ではありません。

人体の仕組みはそんな単純にはできていないため、何事もたくさんの成分が連鎖反応のように複雑に化学反応を起こして成り立っています。つまりそもそも一つの食材に過度に期待をするのはお門違いで、牛乳だけ、豆乳だけ、と特定の食品に健康効果を期待するより、たくさんの食材から少しずつ色んな栄養素を満遍なくとることの方が、よほど健康的で効果的です。

巷にはスーパーフードなるものが増え、いきすぎた健康ブームや噂が蔓延する現代ですから、振り回されずに冷静になることを忘れずにいてください。


朝倉 優紀(あさくらゆうき)

ダイエットナビゲーター
肥満予防健康管理士
アンチエイジングアドバイザー

都合の良い合理主義でパフォーマンス重視。食べたいものを食べるために、普段から選んで行っていることが理にかなう天性の健食マニア。無理なく無駄なく我慢せず、「食事は楽しむものである」というポリシーの元、知識を入れることによってバランス感覚を養い、痩せる「脳」を作る意識改革を行う。歳を重ねるごとにスタイルを作りあげ、今や姿勢矯正・小顔術まで手中に入れた一児の母。デザインとセンスがベースにあるため、土台である姿勢と体を美しく整え、それをさらに綺麗に細く見せる視覚効果を使ったファッションコンサルまで担う。「化けさせる」プロ。 肥満予防健康管理士としては、痩せることだけを目的とするのではなく、病気にならない「予防医学」として生活習慣改善のカウンセリングを行う。
(埼玉県出身 慶応義塾大学 環境情報学卒)